「代用特性って何ですか?どういう意味か教えてください」
こういった疑問に答えます。
本記事の内容
・代用特性とは?
・真の特性と代用特性
・官能特性と代用特性
この記事を書いている私は、製造業のエンジニアとして10年近く携わり、開発や品質保証、さらに製造スタッフなどを幅広い経験をしてきました。
本記事では代用特性の意味について初心者向けに説明します。
【品質管理】代用特性とは?
代用特性のJSQC定義は以下のとおり。
要求される品質特性を直接測定することが困難なため、その代用として用いる他の品質特性
要求されている品質特性の測定・評価に時間やコストがかかる、あるいは破壊検査が必要となるなど、状況によっては直接測定することが現実的ではない場合があります。
そんなときに、要求されている品質特性の代わりに、強い関係性のある品質特性を測定することがあります。このような特性を代用特性と呼んでいます。
「品質特性」の意味がよくわからないかたは、別の記事で詳しく解説していますので、こちらの記事を参考にして下さい。
真の特性と代用特性
さて、要求される品質特性を直接測定した特性は、真の特性と呼ばれます。
なんか大げさな表現のような気もしますが…
例えば、背の高さを測定したい場合、身長計で直接測定した身長が真の特性です。
一方で、画像として取り込み、身長をピクセル数で代用したものは代用特性と呼ばれます。
官能特性と代用特性
また、人の五感で評価される官能特性を物理的な指標で表したものも代用特性です。
例えば、甘いという味覚による官能特性は、代用特性として糖度で評価される場合があります。
また、鏡のように表面がピカピカしているという視覚による官能特性は、代用特性として光沢度で定量的に評価することができます。
代用特性を見出すのが技術者の腕のみせどころ
このように、品質管理のうえでは、要求される品質特性を直接測定することなく代用特性で対応できれば、作業の効率化に繋がりメリットは大きいです。
というか、代用特性なしに品質管理をすることは難しいのではないでしょうか。
なので、品質特性と強い関係のある代用特性を見つけることが大事になり、技術者の腕の見せ所です。
そのためには、要求される品質特性について複数の水準からなる試料を用意して、関係がありそうな特性との相関や誤差の大きさを調査していく必要があります。
ただし、要求される品質特性と単に相関が強いので代用特性として使えます、だけでは不十分です。
なぜそれが代用特性として妥当なのか、原理・原則を絡めてロジックを説明できるようにしましょう。
まとめ
代用特性の定義と真の特性や官能評価との関係性について説明しました。代用特性は、現実的な品質管理を成り立たせるうえで欠かせないものです。
技術者であれば、要求される品質特性と関係性が強く、それが論理的に説明できる代用特性を設定できるようになりましょう。
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