「品質管理部門に配属されましたが、保証と補償の違いがよくわからないので教えてください」
こういった質問に答えます。
本記事の内容は以下の通り。
・保証と補償の意味合いの違い
・保証とは?
・補償とは?
この記事を書いている私は、製造業のエンジニアとして10年近い経歴があります。これまで品質保証やQCサークルの推進などに携わってきました。
品質管理部門に異動してすぐに混乱しがちなのが、保証と補償の違いです。
この違いを曖昧なままにして、まともに品質が「保証」できない状態では、顧客で不良が発生して「補償」を要求される可能性があるので、早く理解しましょう…!
では、解説します。
【品質管理】保証と補償の意味合いの違い
「保証」と「補償」の意味は全く異なります。
保証は、まちがいなく大丈夫だと、責任をもって約束することであるのに対して、補償とは損失など金銭や物で埋め合わせることです。
先にも述べましたが、補償を要求されないようになるためには、お客様に満足いただける品質を保証できる体制が必要です。
では、そんな保証の意味合いから説明します。
保証とは?
保証の意味は以下の通り。(引用先:大辞林 第三版)
まちがいなく大丈夫であるとうけあうこと。まちがいが生じたら責任をとると、約束すること。
つまり、品質管理でいうところの製品の品質を保証するとは、「お客様に提供する製品の品質が、まちがいなく要求を満たしていると、責任をもって約束する」
ということです。
例えば、製品Aの重さの顧客要求が10±1gである場合、製品の提供者は、「この出荷した製品Aはまちがいなく10±1gのものです」と、お客様に責任をもって約束することが「保証」するということです。
例は、極端に簡単なものですが、「保証」とは、重い言葉です。
ビジネス上では、軽はずみに使える言葉ではありません。
お客様に品質を保証するということは、逆に言えば、もし、品質の要求を満たしていない製品を提供した場合には、その責任をとる必要があるということです。
これが、次に説明する「補償」の話に関わってきます。
少し余談ですが、なぜ品質を保証するのでしょうか?
それは、お客様に満足してもらうためです。
もし、品質を保証できなければ、不良が発生し、お客様は不満になります。
では、どうすれば品質を保証できるのか?
そのための手段が、品質管理です。
品質保証と品質管理の違いについては別の記事で解説していますので、気になる方はこちらをどうぞ。
補償とは?
次に補償の意味は以下の通り。(引用先:大辞林 第三版)
補いつぐなうこと。損失などを埋め合わせること。
補償の意味は分かりやすいですね。
補償とは発生した損失を埋め合わせることです。
埋め合わせの方法は、金銭や物です。
では、相手から補償を求められるはどんなときでしょうか?
それは、責任を負うべきと判断されたときです。
責任を負うべきと判断されるときは、「契約を守っていない」、「法律を違反する」、さらに損失の原因が明確でありお互いに合意した場合などです。
例えば、納入仕様書のスペックから外れた製品を販売し、それを使用したお客様で損失が発生。
これは、仕様書で取り交わした契約を満たせしておらず、そのことが原因で発生した損失に対しては「補償」の請求を受けることになるでしょう。
まとめ
保証と補償の意味合いの違いについて説明しました。保証は、まちがいなく大丈夫だと、責任をもって約束すること。
一方で補償とは、損失を金銭や物で埋め合わせることです。意味合いが全く異なるので整理しておきましょう。
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