「標準化と管理の定着ってなにをやればよいの?」
こういった疑問に答えます。
■本記事の内容
- 人生はただの暇つぶし
- 人生に目的や正解はない
- せっかく暇をつぶすなら熱中できることで
- 生き方の視野が広がるおすすめ本
この記事を書いている私は、製造メーカーの技術職で、10年以上のQCサークルの経験があります。
また、QCサークル活動の推進者としても長年関わってきました。
ですので、QCサークル活動の実態や運用面の難しさについては十分に理解しております。
教科書的な内容含め、私の実体験に基づいた活動に役立つ情報を提供していきます。
標準化と管理の定着/歯止めとは
標準化と管理の定着や歯止めは、QCストーリーの効果の確認後のステップです。
QCストーリーについてよくわからにという方はこちらの記事を参考にしてください。
活動で実施した対策の効果を維持継続するうえで重要なステップと言えます。
このステップは、タイトルの通り、「標準化」と「管理の定着」の二つの項目からされています。それぞれの内容について説明していきます。
標準化
標準化とは
まず、標準化とは、品質・サービスを管理するためのしくみ・方法を決めることです。
標準化ができていなければ、品質・サービスが安定せず、期待した成果が得られない可能性が出てきます。
ですので、品質を管理するためには、ルール決めが必要となり、これを標準化と呼んでいます。
QC活動でこれらの標準化を進める際には、5W1Hでメンバーの役割分担や期限を設定、取り組みを具体化して進めるようにしてください。
標準化の方法
標準化の方法としては、標準書や作業手順書の作成が代表的です。
これらの作業手順書を作成するためのポイントは以下の通りです。
- 作業上の重要ポイントが明確になっている
- 誰がやっても同じ結果が得られる
- 効率的に成果が得られる
- 異常の区別できて対処方法がわかる
- 誰がみても内容を理解できる
わかりやすく、誰がやっても効率的に同じ結果が得られる標準書を作成しましょう。
もちろん作成したら、上司や関係者に見せてフィードバックを得てより良いものにしていきましょう。
管理の定着
「管理の定着」では、標準化された手順を周知・教育します。
その後、標準化が守られ、効果が維持・継続しているかを監視します。
管理が定着しているかどうかは、QC7つ道具の一つ、「チェックシート」を活用して確認するのも良いでしょう。
チェックシートのポイントや作り方については別の記事で解説していますので、興味のあるかたは参考にしてください。
標準化内容の周知
ここが重要なポイントです。
ぶっちゃけ、作業を標準化することはそこまで難しくありません。
重要なことは、作業を標準化したから終了ではなく、しっかりとその内容を関係者に説明して納得してもらうことです。
もし、納得してもらえなければ、そのルールはすぐに廃れて誰もやらなくなるのは時間の問題です。
標準化した担当者が陥るダメな例は、「ルールを新しく決めたからみんなやってね。
ルールなんだからやるのが当然でしょ」と考えてしまうやつです。
これでは誰もやってくれません。
多くの人は変化に対して多少の抵抗を持ちますし、もし作業が追加されるようなことがあれば反発は避けられないでしょう。
ですので、本当にこの標準化に意味があることを相手に納得するように説明する必要があります。
もし、関係者との話し合いのなかで標準化した内容に問題点があるのであれば、内容を改善して、関係者の合意が得られるようにしましょう。
これが適当なQCサークル活動は、結局その時だけの一瞬の成果にとどまり、効果を維持することはできないので注意しましょう。
効果の維持の確認
標準化の内容を周知徹底した後に、定期的に効果が維持されているか、グラフや管理図で定量的に確認します。
特にQCサークル活動後に効果が維持されているか確認をやめてしまうグループが多いです。
しかし、これまでの過去のQC活動の効果が維持されているのか半期または年に1回でも良いので確認するようにしましょう。
もし効果が維持されているのであれば、改めて活動をやって良かったと感じられますし、維持されていなければその反省点を次の活動に生かすことができます。
歯止め【参考】
QCストーリーのステップで「標準化と管理の定着」と「歯止め」を混同している人もいるかと思ったのでおまけで解説します。
現在は、QCストーリーのステップでは、「歯止め」とは言わず、「標準化と管理の定着」と呼ばれているので、参考程度にしてください。
歯止めとは以下のことを言います。
改善活動によって、問題が解決して成果が得られたとき、その問題が繰り返されないよう、効果が得られた対策を標準化すること、これを歯止めと呼びます。
ただし、対策を作業手順書として標準化しても、その作業手順が守らなければ、問題が繰り返されてしまい、「歯止め」ができているとは言えないでしょう。
よって、標準化した作業手順が、管理され、定着してこそ、歯止めが効いているといえます。
なので、「歯止め」とは、対策を標準化することであり、「歯止めが効いている」とは、標準化した内容が管理され、現場に定着している状態といえます。
なので、歯止めとは、標準化と管理の定着とも言えます。
ただし、歯止めとは、対策の標準化であり、対策は主に問題解決型での取り組みです。
たまに、課題達成型のQCストーリーで「標準化と管理の定着」のステップを「歯止め」と勘違いしている人がいるので注意です。
方策の立案の記事で解説しましたが、対策と方策は異なります。
「方策」とは、なにかしらの問題が起こる前に、計画を立てて、あらかじめ策を講じることを意味します。課題達成型で扱います。
一方で、「対策」はすでに起こっている問題に対応するために策を講じることです。問題解決型で扱いまうす。
よって歯止めは、基本的に課題達成型のステップでは使われません。
QCストーリーの本質的な内容ではなく、大した問題ではないですが、参考まで書かせていただきました。
標準化と管理の定着/歯止めのまとめ方【5W1H】
ここまで「標準化」と「管理の定着」について説明してきましたが、QC活動での取り組みを進める際は、それぞれ5W1Hで役割や期日とやることを明確化してください。
標準化では、作業標準書・周知・教育・ルールなど、管理の定着については、指標やその頻度をどのように監視するかを5W1Hでまとめていきます。
まとめ
標準化と管理の定着/歯止めの進め方とポイントについて解説してきました。
QC活動の成果を維持・継続させるための重要なステップですので、標準化・周知・効果の監視を抜けもれなく実施するようにしましょう。
本記事がQC活動の参考になれば幸いです。
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