




「現状把握のときにQC手法の層別を使いましょうと聞くけど、そもそも層別って何?層別する必要性がわからない」
こういった疑問にお答えします。
■本記事の内容
・層別する意味合い
・層別に必要なデータのとり方
この記事を書いている私は、製造メーカーの技術職であり、約10年間QCサークルのメンバーとして活動しています。
QC活動の難しさは理解しており、実体験に基づいた現場目線で、役立つ情報を提供します。
【QC手法/QC7つ道具】層別とは




層別とは
層別とは、分類することです。
分類するとは、同類のものをまとめ、全体を幾つかの集まりに区分することです。
「層別」と言われると難しそうに感じますが、その意味は、至って簡単です。
例えば、全体(集団)を「高校の生徒」として、同類のものをまとめて、全体を区分けするとします。
区分けとして、性別・学年別・住まいの地域別に分けられます。これも層別です。
このように、あなたも普段から無意識のうちに層別しているのではないでしょうか。ではなぜ層別するのでしょうか。
層別の目的
層別の目的は、問題や課題を明確化することです。
なぜ問題や課題を明確化するかといえば、それらを解決するためです。
問題や課題を解決するには、原因を特定する必要があります。
そのためには、問題や課題に関するデータを「分ける」、つまり分析する必要があります。
データを分けるためには、どのようにして分けるか考えなければなりません。
このデータを分ける切り口を考えることが「層別」です。
そのため、QC手法/QC7つ道具を使ったデータ解析の前に層別をする必要があります。
つまり、層別はQC7つ道具を使ったデータ解析の基本といえます。
層別の方法( 層別の項目 4M,4P)
層別の方法、言い換えれば層別の切り口を考える。
これが層別の難しい点です。
なぜなら、スジの良い切り口が浮かぶかどうかは、業務の知識量や過去の問題解決に取り組んだ経験値に大きく左右されるからです。
なので、自分の経験が不足しているのであれば、自分の考える層別の分類を上司やその業務の経験が豊富な人にぶつけて意見をもらうのが良いです。
ここを丁寧に行うことが大事です。
なぜなら、層別の切り口を間違えるとその後のデータ取りからQC7つ道具によるデータ解析のすべてが、ムダになる可能性が高いからです。
つまり、データ解析の大前提となる基礎が層別の切り口と言えます。
初心者で慣れていなければ、まずは、4M(Man:人, Machine:機械, Material:材料, Method:方法)や4P(Product:製品, Price:価格, Place:流通, Promotion:販売促進)を層別の手がかりとして考えてみると良いです。
層別に必要なデータのとり方




データのとり方を工夫する
さて、ここまでの説明を読めば理解していただけると思いますが、データをとる前に、層別の切り口を決めます。
なぜなら、層別の切り口が決まらなければ、何のデータを取ればよいかが分からないからです。
ただ、これがなかなか難しいです。
すべてのデータを集めようとしてしまいがちです。
そして、後から必要なデータがないことに気づいて取り直すことが多々あります。
正直、私もこれができずに反省することが多いです。
では、層別の切り口が決まったら、いよいよデータを取るわけですが、その際は、データの記録の仕方にも気をつけましょう。
この後のQC7つ道具で解析するときのエクセルや解析ツールの活用を考慮して、電子データのチェックシートやデータシートのフォーマットを作成して5W1Hで記録するようにしましょう。
まとめ
QC手法によるデータ解析の基本となる層別について解説しました。
層別とは、分類することであり、その目的は問題・課題の明確化です。
この層別の切り口を間違えると後のデータ取りから解析まですべてムダになる可能性があるので、業務経験の知識が豊富なベテランの意見も聞きながら進めることをおすすめします。
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