




「ファクトコントロールってどういう意味ですか?なんとなくわかっているけど、改めて意味合いを知りたいです。」
こういった質問に答えます。
本記事の内容は以下の通り。
・ファクトコントロールとは?
・客観的な見方で品質管理するには?
この記事を書いている私は、製造業のエンジニアとして10年近い経歴があります。これまで品質保証やQCサークルの推進などに携わってきました。
ファクトコントロールの考え方は、品質管理の基本となります。
本記事で理解を深めて、実践しましょう。
ファクトコントロールとは?【事実に基づく管理】




ファクトコントロールとは、「経験や勘に頼るのではなく、データや事実にもとづいて管理すること」です。
(引用先:細谷克也著 QC的ものの見方・考え方)
これは品質管理の基本的な考え方です。
品質管理においては、主観に頼らず、事実にもとづいた客観的な見方で管理することが推奨されます。
品質管理では、品質特性の管理基準を設定し、そこから外れないように維持し、さらに改善していく活動です。
品質特性となる指標や管理基準は、人によって変わる曖昧なものではなく、誰が見ても同じであるべきです。
人によって管理がコロコロ変わる工程でつられた製品なんて、とてもお客様に品質を保証できません。
単に事実にもとづいて管理すれば良いわけではない
「了解です。事実にもとづいて管理すればよいのね。」
ここに落とし穴があります。
それは、事実をおさえても、それを感覚的にとらえてしまうことです。
これは、ほぼカン・コツ・経験的なアプローチに近いです。
せっかく事実を押さえたのに、自分フィルターで処理して感覚的なことを言っても意味がありません。
ベテラン社員などは、それで許されてしまう風土の会社もありますが、NGです。
あなたの感覚だけを聞いても、他の人には伝わらず、正確な判断はできないでしょう。
そのぐらいなら、事実をそのまま持ってきてもらったほうがマシです。
客観的な見方で品質管理するには?


では、主観的ではなく、客観的なものの見方で品質を管理するにはどうすれば良いのでしょうか。
それは、事実を定量化することです。
このプロセスを踏むことで、人と人とが同じ指標を使った、同じ土俵で議論ができるようになります。共通言語をもつイメージです。
当たり前ですが共通言語がなければ、人と議論をすることはできませんよね。
事実を定量化しましょう。これが事実を客観化するということです。
言うのは簡単で実際は難しいのですが。
さらにほかにも落とし穴があります。
事実を定量化して、データとして集めても、品質管理をするうえで、そもそもそのデータの測定方法や測定頻度が適切か?という話です。
話が横道にそれすぎるので割愛しますが、ファクトコントロールを実践しているつもりになり、実際は品質管理という面で全く役に立っていない例を多く見受けます。
ファクトコントロールをやればよいというわけではありません。
「事実にもとづいてデータでものをいうこととセットで、このデータで本当にモノが言えるのか、目的に照らして意味のあるデータなのかを考える癖が重要です。
ファクトコントロールという当たり前のことを、本当に実践できているのか。自分を疑う姿勢がより重要かもしれません。
まとめ
ファクトコントロールの意味合いと実践の注意点について説明しました。事実にもとづく管理は、品質管理の基本的な考え方です。
客観的な見方には、事実の定量化が不可欠です。常にこの姿勢を忘れずに、日々の品質管理に取り組みましょう。
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