QCストーリー施策実行型の進め方【まとめ】

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「施策実行型QCストーリーって聞いたことあるけど、どんな活動テーマのときに使えばよいのかわからない」

「施策実行型と問題解決型の違いって何?」

「QCストーリーの施策実行型の進め方について知りたい」

こういった疑問に答えます。

■本記事の内容

・ QCストーリー 施策実行型の概要

・ QCストーリー 施策実行型の進め方

この記事を書いている私は、製造メーカーの技術職で、10年以上のQCサークルの経験があります。また、QCサークル活動の推進者としても長年関わってきました。

ですので、QCサークル活動の実態や運用面の難しさについては十分に理解しております。

教科書的な内容含め、私の実体験に基づいた活動に役立つ情報を提供していきます。

QCストーリー施策実行型の概要

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QCストーリー施策実行型とは

まず、QCストーリーとは、『困りごとを効率的に解決するための手順』です。

そのQCストーリーは大きく4つの型があり、施策実行型はそのなかの一つです。

・問題解決型

・課題達成型

・施策実行型

・未然防止型

では、施策実行型のQCストーリーは何かというと、テーマの困りごとの対策がすでに分かっていて、スピード感をもって改善を実現するための手順です。

問題解決型と課題達成型のQCストーリーの概要について、知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

問題解決型QCストーリーとは、『問題』を解決するための効率的な手順です。QCストーリー問題解決型で扱う問題とは、現状とあるべき姿とのギャップ(悪さ)のことです。問題解決型の手順に従い、問題の原因を突き止め、対策によってあるべき姿に戻し、安定 させることを目指します。
QCサークル(小集団活動)の 課題達成型QCストーリーの概要について説明しました。各ステップの詳細は関連記事をご覧ください。 課題達成型の手順は知っているけど、その意味合いを理解していないので苦労しているかたが多い印象です。 本サイトを参考にして、実践を積みながら理解度を上げていってください。

問題解決型との違い

施策実行型を理解するうえで必要なことは、問題解決型との違いを知ることは重要です。

問題解決型との違いは、要因解析のステップの有無です。

上で説明した通り、検証するまでもなく対策の方向性がすでに見えている場合には、要因を洗い出して特性要因図を作って、問題への影響が大きい要因を検証する必要がありません。

ですので、施策実行型のQCストーリーでは問題解決型の要因検証のステップを抜いた型だと理解すればよいです。

QCストーリー施策実行型に適したテーマとは

繰り返しになりますが、テーマの困りごとについて、すでに対策が分かっていて、早期に解決すべき問題の場合には、施策実行型のQCストーリーが有効です。

施策実行型テーマを問題解決型で進める落とし穴

さて、ここで次の疑問が出ると思います。

「対策がすでに分かっているテーマの場合、問題解決型のQCストーリーを適用してはダメなの?施策実行型を選ぶべき?」

私の意見としては、初心者が多いピヨピヨグループは、問題解決型の進め方を覚えることを目的とするのであれば、問題解決型を選択するのもありだと思います。

ただし、施策実行型で取り組むべきテーマを問題解決型で進めた場合には、要因解析のステップに落とし穴があるので注意が必要です。

なぜなら、すでに問題の真の要因がわかっているため、要因の深堀ができないことや、様々な観点での要因が出せず、要因解析がうまくいかないことが多いからです。

結果、要因解析がバカバカしく感じてきます。

さらに、後付けで特性要因図を作成することが横行するなど、グループの成長という観点では、全く意味のない活動になりがちです。

なので、特に初心者グループにこの方法をあえて適用する場合には、QCストーリーを理解している指導者がフォローすることが不可欠です。

また、QCサークルの活動期間が短く設定されている場合には、テーマを選定する際に、すでに対策の方向性がある程度見えているテーマを選びがちです。

さらに、そのテーマを問題解決型のQCストーリーに当てはめて進めることが多く、ベテラングループでもよく詰まります。

また、要因解析が適当で特性要因図を後付けにすることも多く、全体的なQCストーリーがチグハグで一貫性がなく、何やってんのかわからない活動になることが多いです。

そういうQCストーリーの当てはめ的な活動はすぐにばれますし、自分達の成長に繋がらないのでやめたほうが良いです。

なによりそんな活動をやっていても楽しくなくてつまらないだけです。

ぶっちゃけ時間の無駄です。

QCストーリー施策実行型の進め方

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施策実行型QCストーリーのステップを以下に紹介します。

ただし、基本的には問題解決型と同様なので、各ステップの詳細は割愛します。

興味があるかたは各ステップの進めかたの記事を参考にしてください。

QCストーリー施策実行型のステップ

1.テーマ選定

2.現状の把握と対策の狙い所

3.目標の設定

4.対策の検討と実施

5.効果の確認

6.標準化と管理の定着

7.反省と今後の課題

1.テーマ選定

テーマのネタ探しから選定の手順、QCテーマを取り上げた理由、最後にテーマ名のつけ方を解説しました。テーマ選定はQC活動のモチベーションを左右する重要なステップです。QC活動で行き詰っているグループをみると、その多くがこのテーマ選定に原因があります。この記事で書いたポイントを押さえ丁寧に進めましょう。

テーマ選定ができたら、活動計画を立てましょう。

QCサークル活動(小集団活動)の活動計画の作成と役割分担について解説しました。短期間で成果を出すために、事前に実行可能な計画を立てて、会合毎に進捗管理を行いましょう。また、グループメンバーがQCサークル活動に全員参加できるように、各人の特徴や成長も考慮して役割分担を行いましょう。

2.現状把握

このステップでは、問題解決型と同様の現状把握に加えて、対策の狙い所の設定があります。

現状把握で絞り込んだ問題点に対して、対策の方向性を様々な切り口で出していきます。

問題解決型QCストーリーの現状把握の進め方・まとめ方について解説しました。現状把握の目的を意識してデータを集めましょう。そして、層別とグラフ化を繰り返して問題を深堀し、困りごとの一番の問題点を浮き彫りにしていきます。現状把握をすることでQCテーマの問題の明確化をしましょう。

3.目標設定

QCサークル(小集団活動)の問題解決型のQCストーリーでどのように目標設定をすれば良いかわからないという初心者向けに、目標設定の意味合いと設定方法について解説します。

4.対策の検討実施

問題解決型QCストーリーの対策立案と対策の実施の進め方について解説しました。複数の対策案を挙げ、活動内容に適した評価項目を選定し、副作用まで考慮した総合評価の高い対策案を選定しましょう。

5.効果の確認

QCストーリーの効果の確認の方法について解説しました。効果の確認の種類には、有形効果・効果金額・波及効果・無形効果があります。自分達の活動の成果を把握し、今後の活動につなげるためにも重要なステップですので、しっかり取り組みましょう。

6.標準化と管理の定着

標準化と管理の定着/歯止めの進め方とポイントについて解説してきました。QC活動の対策に歯止めをかけて成果を維持・継続させるための重要なステップですので、標準化・周知・効果の監視を抜けもれなく実施するようにしましょう。

7.反省と今後の課題

QCサークル活動の「反省と今後の課題」の意味合いとポイントについて解説しました。「反省と今後の課題」はグループを成長させるために、PDCAサイクルを回す重要なステップです。振り返りのポイントについて目標やあるべき姿を明確にして実際の活動の結果と比較をすることで反省し、今後の課題を設定しましょう。

まとめ

施策実行型のQCストーリーの概要と進め方について解説しました。

テーマの困りごとについて、すでに対策が分かっていて、早期に解決すべき問題の場合には、施策実行型のQCストーリーが有効です。

また、施策実行型に適したテーマを問題解決型に当てはめて進める場合には落とし穴があるのでご注意しましょう。

本記事がQC活動の参考になれば幸いです。

QC活動に役立つ参考書↓

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