「QCサークル活動は初めてで、まず最初に何からやれば良いのかわからない」
こういった疑問にお答えします。
■本記事の内容
・QCサークル活動の進め方
・QCサークルの結成
・活動計画、推進計画の作成:管理・改善活動
・活動体験の発表
この記事を書いている私は、製造メーカーの技術職であり、約10年間QCサークルのメンバーとして活動しています。
QC活動の難しさは理解しており、実体験に基づいた現場目線で、役立つ情報を提供します。
QCサークル活動の基本と進め方【QC活動の流れ】
QCサークル活動について、一般的なQCサークルの登録から活動発表までの流れは以下の通り。
1. QCサークルの結成
2. テーマ選定,活動計画の作成
3. 管理・改善活動
4. 活動体験の発表
5. QCサークルの自己評価
QCサークルを結成したら、テーマを選定して、2~5のサイクルを回して、QCサークル活動を進めていきます。
会社にもよりますが、1つのテーマを半年から1年かけて取り組みます。テーマが完結したら活動発表を実施し、次のテーマに取り組む流れです。
QCサークルの目的は、人材育成と職場の活性化が第一です。よって、上記の活動以外にも、自主的にQC手法やQCストーリーなどの勉強会を開催するなどして個人やグループのレベルアップを図ります。
また、QCサークルの運営面の話にも関わりますが、なによりもQCサークルが自主性のある活動にすることが大事です。
そのためには、サークル活動を通して、成長するために自ら学んで実践していく姿勢が問われます。
QCサークルの基本・基本理念や目的について知りたいかたはこちらの記事をご覧下さい。
それでは、QCサークルの流れについて、各ステップの概要を説明します。
1. QCサークルの結成
QCサークルの結成【共通業務のメンバー5~7名】
まずは、メンバーを集めてサークルを結成しましょう。
初めての活動であれば、業務内容に共通性のある人を集めるようにしましょう。
なぜなら、自分の業務内容と関係がない活動テーマが選ばれると、関心が持てず、消極的なお客様状態のメンバーが現れるからです。これはQCサークルのモチベーションにとって致命的です。
現実は現場を除いて共通の業務内容の人はそれほど多くないですが、このことを意識してグループを編成しましょう。
サークルのメンバーは、5〜7人ぐらいが最適です。
2〜3人だとメンバーが少なく、それぞれの負担が大きくなるので注意が必要です。また8人以上だと、人数が多くて当事者意識が低くなったり、役割がない人があらわれます。
会合のスケジューリングも難しくなるため、おすすめできません。
QCサークルのリーダーの決定
また、メンバーのなかから活動のリーダーを決めましょう。
リーダーはQCサークルを上手く進めるためのキーマンとなります。
もし、QCサークル未経験者が多いのであれば、リーダーシップが取れるメンバーや職場の長を選ぶと良いです。
リーダーの役割や決め方についてはこちらの記事を参考にしてください。
QCサークル名を決める【サークル名のつけ方/決め方】
メンバーが決まったらサークル名をつけましょう。
サークル名の付け方や決め方にルールはありません。メンバー全員が合意できる名前であれば、好きにつけてOKです。
ちなみに、QCサークル活動で成果を残していけば、サークル名に愛着が出てきます。また、活動発表大会で上位に常連で入るようになれば、知名度が上がります。
その点も意識しつつ、考えてみましょう。
知名度が上がって、社外の発表に出ることになるかもしれません。そのときに恥をかく名前だと微妙かもです。
もちろん名前は途中で変更できますが、コロコロ変えるのも愛着が付かず、サークル名による連帯感やプライドが生まれづらくなるかもしれません。
サークル名をつけるときに大事なのことは、メンバー全員が愛着をもてるということです。
サークル名がつけられたら、会社内のQC推進事務局に連絡して登録してもらいましょう。
これで晴れて正式にサークルとして認められます。
2.テーマ選定, 活動計画
テーマを選定する
まずはテーマ選定をしましょう。テーマ選定は活動のモチベーションを大きく左右します。テーマを決めるときは、メンバー全員の納得感を大事にしましょう。
テーマのネタの探し方や選定方法については別の記事で解説していますので、参考にしてください。
QCストーリーを選定する
次に、決めたテーマに適したQCストーリーを選定します。QCストーリーは効率的に困りごとを解決するための手順と考えて下さい。QCストーリーは4種類の型があります。
・問題解決型
・課題達成型
・施策実行型
・未然防止型
テーマの内容によってQCストーリーの型を使い分けます。そのほうが、より効率的にテーマの困りごとを解決できるからです。
QCストーリーの選定方法については別の記事で解説していますので、参考にしてください。
活動計画を立てる
QCストーリーが決まったら、活動計画を立てましょう。期間内にテーマを完結できるように計画しましょう。各ステップの取り組み開始と終了時期を活動計画表に記入します。
所属部署の予定も考慮する必要があるため、上司に活動計画を確認してもらい承認を得るようにしましょう。
活動計画の作成や役割分担については、別の記事で解説しています。興味のあるかたはご覧ください。
3. 管理・業務改善活動
会合準備/計画をしてQCストーリーに沿って活動
活動計画ができたら、QCストーリーに沿って改善活動を進めていきます。
会合は、リーダーが主体となって準備・計画し、実施していきます。
会合を効率的に進めるには、会合の目的・決めること・時間を明確にすることが大事です。会合前の準備です。
また、会合前に宿題を出しておきましょう。その宿題を事前にまとめ、会合では決定の場にすることがポイントです。
また、会合が終わったら、その会合の進め方について反省と課題を挙げて改善していくことが大事です。このPDCAを回していけば猛烈な勢いで成長できます。
QCサークルの会合議事録/レポートを作る
QCサークル会合が終わったら、議事録を作成しましょう。QCサークル会合の議事録の目的は、会合での決定事項や議論の内容を記録して、メンバー・上司含めてレポート/共有することが目的です。
会合に参加していないメンバーや上司がいる場合、会合の内容を早くレポート/共有しましょう。時間がかなり経過してから上司が議事録を見て、フィードバックを受けて、大きな方針転換が必要になると時間のロスに繋がります。
また会合の決定事項を文字として残すことで後々の誤解の発生を防ぐことにも積んがります。議事録作成は面倒ですが、早く作成し共有するようにしましょう。
QCサークルの会合議事録のフォーマットについては、それぞれの会社で専用のものがあるならそれに従い書く、議事内容が書かれたホワイトボードをメールで共有するなど、様々方法があると思います。職場に合った方法で議事録を作成/共有しましょう。
QCストーリーの進め方
本記事では、個別のQCストーリーの内容について説明を割愛します。別の記事で詳しく解説しているのでそちらを参考にしてください。
問題解決型
課題達成型
施策実行型
参考:問題解決型と課題達成型のQCストーリーの違い
4. 活動結果のまとめと経験談の発表
QCサークルの活動で取り組みテーマが完結できたら、その活動内容や成果を活動体験談発表の場で報告しましょう。
この発表の場の経験によって、発表への称賛や報奨金でメンバー全員のモチベーションUPに繋がり、活性化につながります。
また、発表に向けて、活動内容を報告向けにまとめる過程で、QCストーリーの理解度も大きく向上させることができます。
QC発表会の資料作成準備のコツについては、別の記事でしっかり解説しているので、気になるかたはこちらをどうぞ↓
まとめ
QCサークル活動の基本と進め方と流れについて概要を説明しました。共通業務のメンバーでQCサークルを結成し、活動計画を立てて改善活動に取り組みましょう。
そして、その成果は発表会を通して報告し、QCサークル活動についての自己評価によって、さらに良い活動ができるように進めていきましょう。
おすすめの参考書↓
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