コロナの影響により、社会的にテレワークが広がり、製造業の私の会社でもテレワークが導入されました。
私は製造業の技術職として働いています。実際にテレワークを実施して分かったテレワークのメリットやデメリット、今後のテレワークの普及について思うところを書きます。
製造業の技術職もテレワークを導入することに
私は製造業の会社で働いています。コロナの影響で徐々にテレワークの導入が進み、工場で働く技術職も対象となりました。
ほぼ半強制的に週の半分近くがテレワークとなりました。働き方が柔軟になることは、私としては歓迎です。
テレワークのメリットは生産性向上
集中力が継続
実際にテレワークをやってみて感じたメリットは、生産性向上です。仕事中に話しかけられることがなく、高い集中力を維持できます。なので、効率が非常に良いです。
無駄な会議が消える
また、密閉空間で多数の人が集まる会議はそのほとんどが削られ、時間が生まれました。ぶっちゃけ、会議がなくなっても何の影響もありません。
計画的になる
また、会社にいないので突発対応が難しくなるので、事前にリスクを想定した準備や計画を立てる雰囲気になり、計画的に仕事が進められるようになった印象も受けます。
プレッシャーがかかる
一方で、テレワークは成果を出さなくては、というプレッシャーがかかります。会社にいれば仕事やってる感を出せて誤魔化せますが、テレワークではそれがないので、アウトプットを出す必要があります。
会社への信頼感が上がる
そのため、仕事を形にすべく意識するため生産性が上がっています。生産性向上以外のメリットは、会社への信頼感アップです。
一応、社会の流れを汲んで会社がテレワークを導入するのは好意的に受け止められます。逆にテレワークに対応できない場合は、従業員の会社への不満はたまっていきます。
テレワークの弊害/問題
製造業は現場と現物が欠かせない
製造業の場合、現場と現物は最重要です。テレワークではこれを直接確認できないのが大きな問題点です。例えば、製品の不具合があったとしても現物や分析機器は会社にあるため対応できません。
製造業の技術職はこれらの問題解決業務が主な仕事の一つでもあるため完全なテレワーク化は不可能です。
現場の不満
また、技術職がテレワークをしていても、工場の稼働を落とさない限り、現場のオペレーターは会社に出勤して働く必要があります。
そのため、一部から不平等を感じる人が出てきます。そりゃ自分達がリスクを抱えて出勤しているのに、技術職が安全な家で仕事をしているのでは不満を感じるのも当然です。
メンタルの負担と体力低下
また、テレワークをしている本人もかなり疲労ストレスを感じます。集中して仕事ができるので生産性は向上する一方で、家にこもり、人と話さないことで気分転換ができず疲労感がかなり溜まります。
ここはテレワークのメリットとデメリットが表裏一体となる部分です。管理職側が状況を考慮して、適度な休憩を推奨するような雰囲気づくりが必要です。
加えて、テレワークの弊害で大きいのは、運動不足です。
テレワークのおかげで通勤時間がなくなり通勤による疲労やストレスが低減したかと思えば、一方で、運動不足の状態に。通勤も軽い運動や気分転換に役立っていた事実に気づきました。
テレワークで成果が出せなければリストラ候補?
一方で従業員を信頼せずに厳しく監視している会社もあるようですが、従業員のメンタルを削るだけで悪影響が出るだけです。
管理職は成果で従業員を評価することになるでしょう。そして、テレワークで成果をだせない社員は会社が傾けばリストラ候補です。
水道光熱費が上がる
あと、テレワークの弊害で考えていなかったことは、水道光熱費が上がったことです。
ざっと10~20%程度上がっています。家で過ごす時間が激増しているので当たり前ですが。
製造業でテレワークは普及するのか
コロナの影響で急速に製造業でもテレワークの導入が進みました。しかし、アフターコロナの製造業では、制度としてはテレワークが存在するものの、コロナ状況下のテレワーク勤務を導入した業務スタイルが定着することはないでしょう。
多くの職場がもとに戻ると思います。それは、先にも書いた通り、製造業はものづくり企業の為、現場や現物の状況を直接確認する必要があるからです。
IoTやビッグデータの活用、AIを導入して、より効率的な運用を進めるのはもちろんです。
しかし、業種にもよりますが、全く簡単ではありません。そんな簡単に製造工程にセンサーを張り巡らせてデータを取得し、解析してAIが判定し、工程をコントロールして合格品ができてしまうような製品なら、すぐに資金力がある企業に淘汰されるでしょう。
良くも悪くも、現場の優秀なオペレーターや技術者が支えているのが日本の製造業の実態だと思います。
テレワーク定着不可で優秀な人材確保に懸念?
製造業でもテレワークのような先進的な制度を取り入れて定着させられないと、優秀な人材の確保がより難しくなると思います。
学生にとっては、テレワークのような先進的なシステムを取り入れた企業が魅力的に映り、働きたいと考える人が増えるでしょう。
一方で、令和の現在、製造業の会社によっては、ここは昭和か?と突っ込みたくなるような、電子化についていけない現場が実は多いのではないでしょうか。
いまだに現場作業者がPC操作できません、仕方ないよね、と暗黙で許容されているところも割と多いのではないでしょうか。
今時代のトレンドにのれない製造業の会社は、時代に取り残され現場のガラパゴス化が進み、長期的な成長を考えたときに厳しい状況に追い込まれる可能性があります。
まとめ
製造業の工場で働く技術職の目線でテレワークを実施してみて思ったことを書きました。
技術職として、働き方が柔軟になるテレワークは歓迎です。テレワークのメリットとデメリットは表裏一体の面が強く、新しいワークスタイルを確立するには工夫が必要です。
アフターコロナの製造業でのテレワークの普及は難しいと感じますが、優秀な人材を確保して企業を継続して成長させるためには、企業がワークスタイルの考え方を大胆に変えてテレワークを定着させていくことが必要だと感じました。
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