「後工程はお客様って聞いたことがあるけど、意味合いってなんですか?」
こういった疑問に答えます。
本記事の内容は以下の通り。
・「後工程はお客様」とは
・「後工程はお客様」を実現するには
この記事を書いている私は、製造業のエンジニアとして10年近い経歴があり、これまで品質保証部門やQCサークル推進者として携わってきました。
本記事では、「後工程はお客様」の意味合いと目的について解説します。
後工程はお客様とは?
「後工程はお客様」の意味
後工程はお客様とは、“後工程で働く人に喜んでもらえるように心がけて活動する考え方”のことです。
後工程で働く人に喜んでもらうためには、少なくとも活動/仕事のアウトプットに満足してもらう必要がりあます。
つまり、後工程はお客様とは、後工程であるお客様に自分の仕事の品質を保証しようという考え方のことです。
後工程はお客様の目的
先にも書いたとおり、後工程で働く人に喜んでもらうためです。そして、その先の最終的に製品やサービスを購入するお客様の満足につなげることです。
「後工程はお客様」の考え方が連鎖することで、お客様の要求品質の実現に繋がります。
「とりあえず、こんな製品ができたから買ってくれ」といった提供側の都合を優先するのではなく、お客様が要求する品質を提供する「マーケットイン」を実現するための考え方が「後工程はお客様」と言えます。
後工程はお客様を実現するには
では、どうすれば後工程であるお客様に自分(自工程)の品質を保証できるのでしょうか。
まずは、自分(自工程)の役割を明確にすることが大事です。これができているようで、できていないことが多かったりします。
次に、お客様、つまり後工程の品質要求事項を明確にすることが必要です。
お客様が求めているものは、ひとりで延々と考えたところで、わかるものではありません。
大切なことは、後工程と情報交換やコミュニケーションをとることです。
そして、要求品質を明確にしましょう。
よく、品質は工程で作り込めと言われますが、そもそも作り込むべき品質が明確になっていないことがほとんどです。抜け漏れが多いです。
しかし、そうは言うものの、品質要求を明確にしましょうと言うのは簡単ですが、実際は困難です。
モノ余り時代の昨今は、マーケットインの考え方を重視するため、品質要求は刻々と変わっています。
後工程とコミュニケーションをとり、品質要求の変化をしっかりと捉えていくことの重要性が増しているのです。
ただし、コミュニケーションをとるのは良いのですが、後工程や前工程とのなれ合いの関係にならないように注意しましょう。
それは、なれ合いの関係は、いつか自分の首を絞めることになります。
製品ならそのうち品質不良が発生する可能性が高いです。大抵、そんなもんです。
次に、後工程の品質要求事項に対して管理項目と管理水準を定めます。
さらに、管理水準を達成するための仕事のやり方、作業手順を標準化します。
このように標準化した作業手順でできた製品が管理水準を満たしているかを検査して適合/不適合を判定します。
この仕組みを維持管理・改善していくことで、後工程に品質を保証します。
そして、この一つ一つの工程の連鎖が、最終顧客への製品の品質保証に繋がっていくのです。
まとめ
後工程はお客様という考え方について解説しました。マーケットインを根底としたこの考え方は、製造工程のみならず、あらゆる仕事をする上での基本事項です。ただし、実際はこれが難しいです。
相手/お客様が何を求めているかを把握することがスタートです。この点を常に意識して仕事の品質を管理・改善していきましょう。私も気を付けます。
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