QC活動の発表資料/原稿作成のコツ【ポイント+おまけ付き】

QC

person discussing while standing in front of a large screen in front of people inside dim-lighted room

「QC活動の発表資料を作るコツやポイントが知りたい」

こういった疑問に答えます。

■本記事の内容

・QC活動発表会とは

・QC発表資料作成のコツ

この記事を書いている私は、製造メーカーの技術職で、10年以上のQCサークル(小集団活動)の経験があります。

また、QCサークル活動の推進者としても長年関わってきました。

ですので、QCサークル活動の実態や運用面の難しさについては十分に理解しております。

教科書的な内容含め、私の実体験に基づいた活動に役立つ情報を提供していきます。

QC活動発表会とは(体験談発表)

shallow focus photo of black corded microphone

QC活動発表会は、自分達が取り組んだ活動テーマについて、改善内容や問題解決のプロセス・活動成果・サークル運営などをプレゼン形式にまとめて発表/レポートする場です。

QC活動発表会は、所属部署以外の部門や事業所のメンバーが参加する場合もあり、発表内容に関する知識がない人が参加するため、初めて人が聞いてもすぐにわかる資料を作る必要があります。

自分達が苦労して取り組んだ活動の成果を発表する場なので、できる限り内容を理解してもらって、良い活動だと感じてもらえるような資料作りを目指しましょう。

とは言え、QC活動の発表資料を作成するのは骨の折れる作業ですよね。

QC活動発表会の直前に資料作成を始めるとなると、準備の時間が足りずに残業が必要になるケースや、一昔前では家に持ち帰って発表資料を作成していた人もいたのではないでしょうか。

QC発表会の資料準備が昨今の働き方改革の流れに逆行することなく、進めていくには、後ほど説明するような活動の進め方の工夫や、管理監督職がしっかりとフォローすることが必要となります。

QCサークル活動の進め方について、気になるかたはこちらの記事を参考にして下さい。

QCサークル活動(小集団活動)の基本と進め方と流れについて説明しました。共通業務のメンバーでQCサークルを結成し、活動計画を立てて改善活動に取り組みましょう。成果は発表会を通してレポートし、QCサークル活動についての自己評価によって、さらに良い活動ができるように進めていきましょう。
QCサークル活動のリーダーの役割や決め方について解説しました。リーダーの仕事は多岐にわたり、グループ活動のモチベーションや方向性を大きく左右するため、その役割は非常に重要です。

QC発表資料作成のコツ

right arrow sign on wall

発表資料は活動と並行して作る

発表資料は発表直前に慌てて作成するのではなく、会合毎にQCストーリーに沿ってパワーポイントで順次作成していくやり方がおすすめです。

つまり、テーマの選定開始時から進捗に合わせて発表資料を作っていくイメージです。

このメリットは2点あります。

1点目は、会合の内容をQCストーリーに沿ってパワーポイントにまとめておけば、発表前に多少修正するだけで発表資料にできるため、発表準備が格段に楽になることです。

そのため、発表前に資料をやっつけで作ったり、時間がなくて残業することを減らすことができます。

また、発表資料の準備期間に入る前にすでにパワーポイントのたたき台ができているため、それをベースにして改良を加えていくことで、発表のクオリティーを上げることができます。

2点目は、会合ごとにその内容をパワーポイントで整理しておくことで、次回会合時にそれをモニターに映せばすぐに前回の会合内容を振り返ることができます。

またその時に、これまでの取り組みがQCストーリーに沿って進めることができているかをすぐに確認できるため、早期に活動の軌道を修正することができるようになります。

適宜、軌道修正をして、QCストーリーに沿った活動をすることで発表資料もより作りやすくなるはずです。

メリットが多いので、ぜひ取り入れることをおすすめします。

QCストーリーに沿った発表資料を作る

論理的な流れであるQCストーリーに沿った発表資料にすることにより、その発表を初めて聞いた人でも内容が理解しやすくなると考えます。

一方で、QCストーリーに沿った改善活動の成果を報告する発表会なので、QCストーリーに沿った報告をしましょうという意見もあります。

もちろん発表会にはQC教育という観点も含まれているので否定しませんが、より重要なことは、発表を聞いてくれた人に少しでも内容を理解・納得してもらうことだと思います。

ただし、QCストーリーに沿ったプレゼン資料で発表するとなると、活動内容を QCストーリーに後付けで無理やりのっけているグループもあり、茶番劇のような発表があるのも事実です。

QCサークルは自主性が求められる活動ではありますが、それを放置するのではなく監督職や世話人がフォローすることも重要となってきます。

1スライド1メッセージ

情報が絞られたシンプルな資料は、発表を聞いている人にやさしい資料と言えます。

一方で、一枚のスライドに情報が大量に詰め込まれた資料は、発表の限られた時間内では読み切れない場合が多いです。

それに加えて、文字がぎっしり詰まったスライドは、見ているだけでうんざりして、発表を途中で聞くのをやめてしまう可能性もあります。

この1スライド1メッセージは基本的なことですが、大半のグループができていないように感じます。

スライドをシンプルにするには、1スライド1メッセージを基本として、自分の主張に関係ない情報は極力省くようにしましょう。

この文章を偉そうに書いている自分ができているかといわれると…です。

口で言うのは簡単ですが実際にやるのは難しいですよね。1スライド1メッセージの意識、お互いがんばりましょう。

伝えたいことを明確にする

発表を聞いた人に強い印象を残すためには、伝えたいことを明確にするべきです。

発表の結果なんてどうでもいいやって人はこの項目はスルーしちゃってください。

発表を聞いた人が、「そういえばあのグループの発表は○○がポイントだったよね」と一つのインパクトを残せれば成功です。

むしろそれができなければその他大勢の発表と一緒に聴衆の記憶から消えます。

伝えたいことを明確にするための大前提は、自分達の活動のアピールポイントを認識して決めることです。

大半はこれを意識していません。

自分たちが自分たちの活動のアピールポイントを認識できなければ、そもそも発表でアピールできませんよね。

アピールポイントが分かれば、あとはその点を発表資料に強く押し出していけばOKです。

発表スライド作成の原則が学べるおすすめ本(おまけ1)

スライド作成方法の基本的なことが学びたい方もいると思います。
そこで、私が厳選したスライド作成の参考書を紹介します。

「入門 考える技・書く技術【スライド編】」はかなりお勧めです。私はずっと手元に置いて迷ったときにこの本の基本に立ち戻るようにしています。

スライド作成の鉄則、そして具体例として良い例と悪い例が記載されているので非常にわかりやすいです。また、プレゼンで相手を説得させるためのロジックの組み立て方まで学ぶことができます。

この本は、もともとバーバラミントの名著「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」の内容をわかりやすく解説した山崎康司氏の「入門 考える技術・書く技術」続編という位置づけです。

「入門 考える技術・書く技術」のスライド作成に特化した本書は、QC発表のみならず、あらゆるプレゼンのスライド作成の原則が簡潔にまとまっています。

スライド/パワポの作成方法の原則を学ぶ上で私的にはベストな本だと考えています。これを読んで実際にスライド作りにチャレンジすることで、あなたのスライド作成スキルは格段に上がるでしょう。

また、本書の前編である「入門 考える技術・書く技術」は、Amazon audibleのラインナップに入っているため、Amazon audibleの無料体験でお金をかけずに読む(聴く)ことができてかなりお得なので紹介しておきます。

通勤時間に聴きながら勉強するのがおすすめです。気になる方はどうぞ→Amazon audibleの無料体験

イラストの活用(おまけ2)

発表資料にイラストを入れると、文字や図ばかりの資料よりも、硬い印象が少し柔らかくなって親近感が出ますし、発表内容を理解してもらうための助けにもなります。

ただし、パワーポイントに貼り付けるイラストと言っても、著作権の問題があるので注意が必要です。

ここでは、みなさんもよく見かけているであろうフリー素材のイラストのサイトを参考に載せましたので、興味がある方は以下のリンク先へどうぞ

→フリーイラスト素材:可愛いフリーイラスト集 いらすとや 

QC発表の原稿準備

Writing, Pen, Man, Ink, Paper, Pencils, Hands, Fingers

発表資料のコツとは少し話がずれますが、当日の発表をより良いものにするに、発表原稿の準備は欠かせません。

原稿が必要な理由は、発表時間内に相手に伝えたいことを説明するためです。

たまに自分は人前でしゃべるのが得意だからと、まともな原稿を準備せずに発表しているグループがありますが、本当にわかりづらいです。論理的な説明になっていない場合が多いからです。

ぜひ原稿は準備しましょう。

まず、原稿の基本的な流れについて、
QCサークル活動の発表会の枠組み(部署, 部門, 事業所, 全国など)によっても変わりますが、↓のような感じです。

グループ紹介→発表者・PC担当者の紹介→テーマ名→テーマ背景→テーマ選定理由→活動計画→各QCストーリーの流れに従う→反省と今後の課題→ご清聴ありがとうございます

ただし、会社によっては流れが大きく異なる場合があるので、このあたりは昨年の発表会の実際の例を参考にしたほうが良いです。

次に、原稿作成のポイントは以下の通りです。

・1スライドごとの結論,伝えたいことを先に示す
・論理構造を意識する(結論→理由→具体例の流れ)
・1文ごとが簡潔
・発表時間内に収める

これらのポイントを押さえて原稿を作り、時間を計って実際に読み上げましょう。そして、読み上げにくい部分や意味の分からない部分は修正しましょう。

これを何回も繰り返して、完成度を高めます。
原稿が頭に入り、原稿を見なくても時間内に収まるようであれば、原稿を見ずに発表するのもありです。将来的にはこのレベルの発表ができることを目指すと良いですね。

繰り返しになりますが、「原稿を準備せずに発表する」ことと、「原稿を準備して原稿を見ずに発表をする」ことは、全く意味合いが異なるのでご注意下さい。

後者を目指しましょう。

まとめ

QC活動の発表資料の作成のコツについて説明しました。

QC発表会を見越して、会合毎に内容を整理してパワーポイントにまとめておくことで、効率的に発表資料を作ることができます。

また、QCストーリーに沿って、1スライド1メッセージとアピールポイントを強調することを意識して、発表を聞いている人にやさしい&印象に残る資料作りを心がけてみてください。

本記事がQC活動の参考になれば幸いです。

Comments

Copied title and URL