「課題達成型QCストーリーで最適策をどうやって決めていくのか手順がしりたい」
こういった疑問に答えます。
■本記事の内容
・成功シナリオの追求とは
・成功シナリオの実施とは
この記事を書いている私は、製造メーカーの技術職であり、約10年間QCサークルのメンバーとして活動しています。
QC活動の難しさは理解しており、実体験に基づいた現場目線で、役立つ情報を提供します。
成功シナリオの追求とは
成功シナリオの追求では、効果の高い方策案を実現させるための具体的な方法を検討していきます。
さらに、各種指標や悪い副作用などのリスクを評価して、問題を避けるための改善策を講じ、そのうえで、総合的に利害得失を評価して最適策を選びます。
ここで具体案を評価する際には、マトリックス図で整理すると、それぞれの関係性が一目でわかり関係者に共有しやすくなります。
マトリックス図について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
一般的な評価指標としては、実現性・効果・期間・コストが挙げられます。
もちろんテーマの内容に応じてより細かく指標を設定することもありです。また、副作用については、他部署に与える影響や安全面・環境面も考慮して把握するようにして下さい。
また、そこで浮き彫りになったリスクについては改善策を追加して、より最適な具体策にしていきましょう。
また、内容によっては、リスクの洗い出しをFMEAやFTAなどのツールを活用することも有効です。
特に、いままでやったことがない新しい方法で課題解決のアプローチをする場合には、このリスク評価は慎重に実施し、上司の承認を得るようにしましょう。
最後に、マトリックス図で各種指標を基に総合的に評価を実施し、最適策を決定します。
成功シナリオの実施とは
実行計画の作成
成功シナリオの追求で抽出した最適策を実施するにあたり、5W1Hで実行計画を立てます。
実行計画は、実行可能なスケジュールであることに注意し、失敗することも見越して余裕のあるスケジュールにします。
計画は作ったら終わりではなく、定期的に進捗を確認して、必要に応じてスケジュールの見直しを行うようにしてください。
最適策の実施
最適策を実施するときは、上司の承認を得てから進めましょう。
上司が知らないところで実施して、仮に生産ラインが止まるなどの問題が起こった場合などは大ごとになるのでこの点は必ず守りましょう。
また、最適策を実施するときは、個々の最適策について狙った効果が出ているのか確認を行います。
もし、予想していた効果がでない場合には、もう一度最適策を見直す必要があります。
ここで、最適策を一度にすべて実施し、効果を確認すると、それぞれの最適策の効果が分かりません。
これでは万が一効果が出ていなかったときに、どの最適策を見直す必要があるのかわからなくなるので、必ず個々の最適策の効果がわかるような工夫をしましょう。
まとめ
課題達成型QCストーリーの成功シナリオの追求と実施について説明しました。
方策を実現させるための具体策を検討し、リスク評価により未然に問題の防止策を講じて最適策を作りましょう。
さらに実施の際は、上司の許可を必ずとり、個々の最適策の効果がわかるような形で進めてください。
少しでもQCサークル活動の参考になれば幸いです。
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