




「品質保証の方法って何ですか?検査のみではダメ?」
こういった疑問に答えます。
本記事の内容は以下の通り。
・品質保証の方法【プロセス保証と結果の保証】
・結果の保証とは?
・プロセス保証とは?
この記事を書いている私は、製造業のエンジニアとして10年近い経歴があります。これまで品質保証やQCサークルの推進などに携わってきました。
本記事では品質保証の2つの方法について、初心者向けに説明していきます。
品質保証の方法【プロセス保証と結果の保証】




品質保証は、お客様のニーズや要求をまちがいなく満たすために、組織が行う体系的な活動です。その品質保証の方法には、以下の2つの方法があります。
・プロセス保証
・結果の保証
お客様を満足させ、企業として利益を確保するためには、この2つの方法による品質保証が必要です。
それぞれの方法について説明していきます。
結果の保証とは?




工程で作られた製品やサービスの品質を保証することです。
結果の保証の具体的な方法は、まず検査です。
検査によって、適合/不適合を判定します。
不適合の場合は、製品の破棄または手直しを行います。
これによって、最終的にお客様に出荷する製品の品質を保証するのです。
この検査業務は品質保証・品質管理部門が担当します。
プロセス保証とは?


JIS規格によるプロセス保証の定義は以下の通り。
プロセスのアウトプットが要求される基準を満たすことを確実にする一連の活動。
注記 プロセス保証は,品質のプロセスでの作り込みを意図しており,これを具現化するべく,決められた手順及びやり方どおりに行うことで,プロセスの最終アウトプットを目的及び基準どおりになるようにするための一連の活動からなる。
プロセス保証とは、文字どおり、プロセスを保証するということです。
その目的は、ねらいどおりの製品を作るためです。
その結果として、不適合品が減り、企業の利益確保とお客様の満足度向上につながります。
プロセスを保証することは、ねらいどおりの製品を安定生産するための基礎です。
結果の保証を強化しても、安定生産はできません。
ねらいどおりの製品をつくれるプロセスでない場合には、製品の全数検査が必要となるでしょう。
「結果の保証」の活動の負担が激増します。
非効率的ですね。
なので、ねらいどおりの製品ができるプロセスを保証できることが重要なのです。
ではプロセスを保証するためにはどうすれば良いのか?
それには、プロセスの確立が必要です。
そして、プロセスを確立するには、標準化が必要です。
プロセスが標準化されることでプロセスの安定性を確保することができます。
それができれば、「工程能力の調査や改善」、「トラブル予測及び未然防止」、「検査・確認」、「工程異常への対応」などに取り組むことで、プロセス保証の質を向上させます。
理想的には、量産前からねらいの製品ができるプロセスを設計し、プロセスを確立しておきたいものです。
まともにプロセス保証ができない状態での新製品の製造部門への丸投げはNGです。これは、結果の保証の負荷を激増させ、負のスパイラルを招きます。
プロセス保証・結果の保証ともに量産前の設計開発段階で確立するようにしましょう。
まとめ
品質保証の方法として、プロセス保証と結果の保証について説明しました。
この二つはお客様の満足度を向上させ、企業が利益を確保するための基本となります。
製品・サービスの設計開発段階で確立し、量産での品質保証ができる体制を整えましょう。
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