

「品質管理と品質保証ってなんだか似てるように感じます。品質管理と品質保証の違いについて教えてください」
こういった疑問に答えます。
本記事の内容は以下の通り。
・品質保証と品質管理の違い
・品質保証の意味合い
・品質管理の意味合い
この記事を書いている私は、製造業のエンジニアで、10年以上QCサークル活動に参加し、QCサークル活動の推進者としても長年携わってきました。
製造や品質保証の両部署での実務経験があり、品質管理の知見や運用の難しさは理解しています。
私自身、新入社員の頃は、品質保証と品質管理の違いについて理解できておらず、特に何も考えもせず両者を混同して使っていました。
会社に入っていてもこんなこと知っていて当然だろうと、教育を受けない場合も多いかと思いますので、この記事で知識を整理していただければと思います。
品質管理と品質保証の違いとは?【品質管理は品質保証の手段です】

さっそくですが、品質管理と品質保証の違いについて、結論をいうと、手段と目的の違いです。
品質保証という目的を達成するための手段が品質管理ということです。
製品やサービスを購入したお客様に製品の品質を保証するためには、原料から納入までのプロセスを管理する必要がありますよね。
では、品質保証と品質管理の違いの理解を深めるために、それぞれの意味合いについて次に見ていきましょう。
品質保証とは

品質保証の定義
日本品質管理学会(JSQC)の品質保証の定義は以下の通りです。
JSQC
「顧客・社会のニーズを満たすことを確実にし、確認し、実証するために、組織が行う体系的活動」
ちなみに、JIS規格の定義はこちら
JIS Q 9000
「品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部」
品質保証の意味合い
両方の定義ともほぼ同じことを言っています。
要するに、品質保証とは、製造した製品が、「お客様が要求する品質を達成できている」ということを社内で確認するための活動ということです。
つまり、品質保証とは、うちが作った製品の品質はお客様が要求するレベルをクリアしてます!ということを、社内で実際に確認して証拠を残し、お客様に対して胸を張って言えるようにするための活動ということです。
商売をするうえでは、いたって当たり前のことですよね。
難しく考える必要はありません。
品質管理とは

品質管理とは、お客様の求める製品の品質を効率的に達成するための品質の維持管理・改善活動のことを指します。
その目的は、お客様のニーズを満たした製品を提供することで顧客満足度を上げること。
さらに、品質の維持管理や改善を通して、良品を効率的に作り、製造コストを下げることで、会社がよりお金を稼げるようにすることです。
そのため、品質管理の活動では、品質の目標値を明確に設定し、製品の製造工程の管理を実施します。
品質管理の意味合いは、別の記事で解説しているので、品質管理の定義から詳しく学びたい方はこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
品質管理と品質保証の違いとそれぞれの意味合いについて説明しました。
品質管理はお客様に製品やサービスの品質を保証するため(目的)の手段と考えると理解しやすいです。
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