「源流管理の考え方がよくわからないので教えてください。」
こういった疑問に答えます。
本記事の内容は以下の通り。
・源流管理とは
・源流管理には下流工程の管理が大事
この記事を書いている私は、製造業のエンジニアとして10年近い経歴があり、これまで品質保証部門やQCサークル推進者として携わってきました。
本記事では、源流管理の考え方について、教科書やテキストには載っていない実体験からの少し深堀した解説をしていきます。
源流管理とは?
源流管理のJSQCの定義は以下のとおりです。
源流管理とは、「製品・サービスを生み出す一連のプロセスにおいて、可能な限り上流のプロセスを維持向上・改善・革新することで効果的・効率的に品質保証を達成する体系的な活動」
後工程の検査や顧客で不良が見つかると、失敗コストや信頼低下、クレームに繋がります。
そのため、後工程で不良品が見つかって被害が大きくならないように、上流工程のプロセスについて維持管理・改善を行い品質保証しよう活動ということです。
源流管理には下流工程の管理が大事【すべての工程管理が大事です】
この源流管理の考え方は大事ですし、問題解決の定跡です。
では、源流管理を強化しよう!と思って、源流工程に行ったところで何をやれば良いのかわからないでしょう。
上流工程の潜在的な問題は、下流工程や、最悪の場合、お客様のところで顕在化することが多いです。
逆に、すべての品質リスクを考えて、管理項目・管理水準を厳しくすることは、過剰品質となり、作業負荷増加や生産性低下にもつながり、得策とは言えません。
よって、グレーな部分はある程度残ります。そして、その一部が最終製品の品質に影響を及ぼし、お客様の使い方が変わるなどの複合要因が重なることで、品質不良が発生する場合があるのです。
このように、上流工程のみでは、明確な問題点が見つかりづらいことが多いのです。
そして、そもそも次工程や下流工程の管理ができていない場合、上流工程の問題が顕在化せず埋もれてしまう可能性があります。
これでは、源流管理を向上させるきっかけをつかめません。なので、源流管理と同じぐらい下流管理も重要なのです。
下流管理がしっかりできていることで、上流工程の悪さ加減が見つかるのです。
まずは、下流工程の管理をしっかりと行い、不適合品/不具合品のデータを解析し、要因の深堀をすることで、上流工程の問題点の解決し、上流工程で発生防止対策をするようにしましょう。
誰が悪い、どこの工程が悪いという話ではないのです。
すべての工程が大事であり、連携する必要があるのです。
これは重要なポイントです。
まとめ
源流管理について、その意味合いやポイントについて解説しました。源流管理は問題解決や品質保証の基本的な考え方です。一方で、源流管理と同じぐらい下流工程の管理も重要です。
問題解決や工程管理の強化には、すべての工程が連携し、源流工程にまでさかのぼって根本原因を突き止め、対策を打ち、管理の標準化を行いましょう。
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